兄のニセモノと妹のニセモノに会った衝撃的な1日
粘土の時間を取るために仕方なく肉親の用事にしか反応しない人生を選んだのだが
それはそれで驚きの連続なことも多々ある
妹が立ち上げた会社が新宿にできたピカピカのビルに引っ越したので
母のお供の役目で行ってきた日のことを書き記しておこう
昼頃に新宿ラインの一番前の車両に実家から兄と一緒に母が乗り込んでくるという設定で
私は言われた電車に乗り込んだのだが
二人の姿が見当たらずに焦って少しパニックを起こしてしまった
ジャイアンな男兄弟のいる妹ならその気持ちわかってもらえるはず(笑)
幼少期のカーストは染み付いているものだ
結局会えたのだが
その時の会話が嘘のようだったのだ
「アハハ 体格のいい女性が見あたらなかったんだよ。すぐ後ろにいたの気づかなかったよ」
私はポカン顔で会話を続けた
なぜならいつも兄が多用していた差別的用語が一度もその口から発せられなかったから!!
デブの2文字はどこにいってしまったの?????
デブ バカ マヌケ ○○ etc
母に向かっても
婆さん ケチ ババア etc
を1度も口にすることなく
挙げ句に母が誰かの個人的な会話を大声ではじめたときには
やんわりと「そうゆう会話は電車の中でしてはだめですよ。家でききますよ」
といなしたのだ
ついこの前だったら
「声ででけえよ。婆さん黙れ」となっていたはずなのに
私からしてみたら今世紀最大の驚きだった
思いきって
「あなたは私の兄のニセモノではありませんか?」と真顔で聞いてみた
宇宙人に実兄がさらわれたのかもしれないので
兄弟にしか知り得ないクイズを出してもみたのだが正解されてしまった
私は瞬時に原因を理解した
社長になって兄から粗野が消えたのである!
きっとコンプライアンス合宿に行ったに違いない
洗脳されてしまったのか自発的に紳士になったのか謎だが
もうすぐお正月でまた会えるので忘れずに聞いておこうと思う
同じ日の夕方には妹のニセモノにも会うことになるのだが
それはまた次号で書き記そうと思う秋の日でした