2011年9月28日水曜日

寿司屋の「時価」 VS 陶芸家の「時価」 どちらの方が怖いか知ってますか?

今日の作品紹介
初窯から出したばかりの人魚の姉妹
これから金色が施されて華やかになります。

左はじのビンが噂の金液。
蓋をゆるゆるに閉めていた自分を反省。
そのまた左手にある汚い色の丸いものは
金液用のパレットで金ちょくといいます。
この汚茶色を780度で焼くとピカピカと光を放つのであら不思議。
昨夜は今シーズン最後のハマスタに出張ってしまったのだ。
贔屓のジャイアンツが調子わるいので
今年はあまり行かなかったのだが
夕方頃に「今日は勝てるよ」と天の声がしたので
ついヨレヨレと絵具だらけのまま・・・

いつ行っても良席のチケットが当日買えるのがハマスタ♪
横浜名物のシューマイ弁当とビール片手に
楽しかったなあ・・
クルーンや小笠原がいないのでちょっと淋しかったが
澤村のボールの早さに感激&
筒合君にエールを送って横横で御帰還となる。
今日は金彩を施そうと思って 引っ越しの荷物の山の中から金液・プラチナ絵具セットのカゴをガサガサ引っ張り出す。カゴを手にしてしばし言葉を失う。
よりによって金液のほうの瓶が倒れていて空っぽに・・!!
ゆるんだ蓋からこぼれ出た金液がどす黒く固まっている!!!

ショックでしばらく絶句。
 陶芸材料のカタログではいつも「金液・・・・・・・時価」としか表記されていない。
この金高騰の時代に25gの金液の損失はかなりの痛手である。
空になった瓶をいつまでも眺めていても仕方ないので馴染みの材料屋さんに電話して
「本日の金液の価格は?」と伺うと「今、一番高いっすよ」と一言。
・・・必要なものは仕方がないので今度はこぼれてもいいように5gの小瓶を注文する。

上絵付け用の筆やその他の小物も必要になったので
愛知県にある馴染みの陶芸材料屋さんに電話をする。
そしていつもの雑ざつとした必要な道具や小物を頼むと
「・・・あの・・それみんな欠品中なんですよね・・」と元気がない。
「入ってからでいいわよ」と云うと
「永遠に入って来ないんです・・・・・・あの・・・道具を作る人がもうやめちゃったんですよね。」 ・・・・・・

本日2度目の絶句。

私が愛用してやまない陶芸道具のアレやコレを製作していた工場がみんな閉鎖してしまったそうな。 「陶芸の人口って増えてないの?」
「いや、増えてません。それに焼物工場自体が減ってるんです。中国産の安い食器にはかなわないですからね。」
「・・・・・。」

嗚呼。

グローバル化と無縁のようなこの業界も知らぬ間に空洞化していたか・・ふう・・。
いや、正確には「空洞化=外地に工場を作る」なので「廃業」による「消滅」ですかね・・。
手作りの道具っていうのは使うたびにワクワクする魔法があったのに残念!!
しばし呆然とするも 代替品になりそうな道具について想いを巡らす。

葉山には知る人ぞ知る!という小さい店内から何でも出てくる魔法の金物屋さんがある。
最近やたらおじさんが元気がないけど顔でも見に行って相談してみようかな?
私が相談すると元ハンサムの面影を残すおじさんは頭の中にある膨大な商品知識の中から
よさげなものを見つくろって提案してくれるので
私は「金物マイスター」と心の中で密かに尊敬している。

手作りの陶芸道具屋さんやベテランの金物屋さん=レベル4の絶滅危惧種なのですね。
そして気がつくと こんなヘンテコを作っている自分はきっとレベル5くらいなのかと
諸行無常を感じる秋の空でした。

「昭和」だったって事ですかね。ハイ。

もうすぐ日本を覆っていたサンルームの天井がバリバリと割れて
ますます景色が大きく変わってゆく予感。
「遠雷」・・・近づいてきたみたいですね。
備えようがありませんが覚悟をしておけばなんくるないさ~

田舎に籠っていても 陶芸を通して世情が透けて見えるというお話でした。
じゃんじゃん。

2011年9月27日火曜日

クリオネって以外と・・・ドラマチック北海道の旅


今日の作品紹介
この子は「遊びをせんとや生まれけむ」シリーズの一人。
梁塵秘抄の遊女のくだりから
2007年作

そんなこんなで残暑の厳しい葉山を離れて3泊4日の北海道の旅から帰ってきました。
ちょうど台風を追いかけてのギリギリOKの旅・帰ってきたら関東のほうが涼しくてようやくホッ。
釧路in~知床~網走out
阿寒湖・屈斜路湖・摩周湖・サロマ湖・網走湖・知床五湖・湖の綺麗な旅でした。

夏は長い地中海旅行をしたけれどそれを含めて「日本の良さを再確認」する旅でした。

外国やヨーロッパの世界遺産には世界中からの観光客が押し寄せ、以前にも増して新興国からの人が増え「どこへ行っても人で大混雑!」「人種の博覧会」状態でどんなにお金を出してもひっそりと過ごす事が出来ず、有名観光地の客馴れしたチップ営業スマイルに食傷してしまった所だったので この北海道の温かいホスピタリティに心底ほっとしたのでした。

北海道は素晴らしいところで
「どうしてここを知らずにカナダに行ったのだろう?」
「北欧フィオルドクルーズに行かなくたって 知床クルーズが素敵!」
「アイスランドで固いトナカイ肉食べて温泉入るなら 食事の旨い阿寒湖温泉に行けばいいのに?」

などなど 北欧の「酢漬けの魚やサーモン」ばかりの旅を思い出して反省する。チップのストレスもなく 日本人のサービス業は本当に世界一!

今度は紅葉の時に是非再訪したいと思わせる北海道ファンになりました。

今日は北海道で出会った可愛い動物たちをアップします。

さて、旅行の間に窯の温度も下がったようなので 窯出しをして上絵付けに精を出そっと。
と横山大観の絵のように静かな湖畔を反芻しながらアトリエに向うのでした。


釧路湿原の鶴
地味に金網の中に飼われていたのです。
この状態でただひたすらのんびりと時間が過ぎてゆく
「媚びない」動物園でした。
左側が子供の鶴

道路を走っていると普通に何度も見かけたキタキツネ。
この子は逃げることなくずっと離れずに傍にいてくれました。
餌をあげる訳には行かないので
「出てきてくれてありがとね」と言い続けて気を使いました。
きつね色ってこの色なのですね・・・

初デート注意食品
ホテルで出たこの子たちは誠に旨かったなあ。
きっとオホーツクの深海からのプレゼント。

ただひたすら殻をほじくり味噌をすすり・・
あっという間にテーブルの上は
食い散らかされて悲惨な状況に・・
カニは初デートの人には不向きだと気がつきました。
オホーツク流氷館で出会ったクリオネ
「飼いたい!」の情熱は帰国後も続いています。
今色々と調べているところですが・・
最大2年も生きるそうです。
でも餌を食べるときに頭が割れて
ものすごく怖い事態になります。
クリオネって意外と・・怖いのでした。





釧路・知床・網走・
どこへ行っても鹿がでてきてくれます。
阿寒湖の夜道で飛び出してきて
間一髪でよけることができました。
オホーツク流氷館で出会ったフウセンウオ
お腹の吸盤で流されないようにじっとしています。
時々あくびをするのが可愛くて
10分くらい水槽の前で立ちつくしていました。
レンタルしている水槽屋さんに今度この魚をリクエストしよう・・
と思ったけれどあれは「熱帯魚専門のレンタル水槽」だったので
オホーツクに生息しているこの子は
断られるだろうな・・・(涙)

余談ですがレンタルの水槽屋さんは
イソギンチャクをなかなか入れてくれません。
理由は「水がすぐに汚れるから」だそうです。
でもなんとか5年たって初めて1つ入れてくれたのですが
すぐに亡くなってしまいました・・・・


あれれ?これは動物写ってないけど?
ハイ。これは知床クルーズでの一枚。
滝のそばに熊の親子がいたのです。
あまりに小さくてどこに写っているか
私にもわからないけれど
ガイドさんの「あそこにヒグマの親子がいますよ」と
声掛けられて興奮しまくって
シャッターをきりまくった一枚です。
想像力でなんとかお願いします。