今日の作品紹介 初窯から出したばかりの人魚の姉妹 これから金色が施されて華やかになります。 |
左はじのビンが噂の金液。 蓋をゆるゆるに閉めていた自分を反省。 そのまた左手にある汚い色の丸いものは 金液用のパレットで金ちょくといいます。 この汚茶色を780度で焼くとピカピカと光を放つのであら不思議。 |
よりによって金液のほうの瓶が倒れていて空っぽに・・!!
ゆるんだ蓋からこぼれ出た金液がどす黒く固まっている!!!
ショックでしばらく絶句。
陶芸材料のカタログではいつも「金液・・・・・・・時価」としか表記されていない。
この金高騰の時代に25gの金液の損失はかなりの痛手である。
空になった瓶をいつまでも眺めていても仕方ないので馴染みの材料屋さんに電話して
「本日の金液の価格は?」と伺うと「今、一番高いっすよ」と一言。
・・・必要なものは仕方がないので今度はこぼれてもいいように5gの小瓶を注文する。
上絵付け用の筆やその他の小物も必要になったので
愛知県にある馴染みの陶芸材料屋さんに電話をする。
そしていつもの雑ざつとした必要な道具や小物を頼むと
「・・・あの・・それみんな欠品中なんですよね・・」と元気がない。
「入ってからでいいわよ」と云うと
「永遠に入って来ないんです・・・・・・あの・・・道具を作る人がもうやめちゃったんですよね。」 ・・・・・・
本日2度目の絶句。
私が愛用してやまない陶芸道具のアレやコレを製作していた工場がみんな閉鎖してしまったそうな。 「陶芸の人口って増えてないの?」
「いや、増えてません。それに焼物工場自体が減ってるんです。中国産の安い食器にはかなわないですからね。」
「・・・・・。」
嗚呼。
グローバル化と無縁のようなこの業界も知らぬ間に空洞化していたか・・ふう・・。
いや、正確には「空洞化=外地に工場を作る」なので「廃業」による「消滅」ですかね・・。
手作りの道具っていうのは使うたびにワクワクする魔法があったのに残念!!
しばし呆然とするも 代替品になりそうな道具について想いを巡らす。
葉山には知る人ぞ知る!という小さい店内から何でも出てくる魔法の金物屋さんがある。
最近やたらおじさんが元気がないけど顔でも見に行って相談してみようかな?
私が相談すると元ハンサムの面影を残すおじさんは頭の中にある膨大な商品知識の中から
よさげなものを見つくろって提案してくれるので
私は「金物マイスター」と心の中で密かに尊敬している。
手作りの陶芸道具屋さんやベテランの金物屋さん=レベル4の絶滅危惧種なのですね。
そして気がつくと こんなヘンテコを作っている自分はきっとレベル5くらいなのかと
諸行無常を感じる秋の空でした。
「昭和」だったって事ですかね。ハイ。
もうすぐ日本を覆っていたサンルームの天井がバリバリと割れて
ますます景色が大きく変わってゆく予感。
「遠雷」・・・近づいてきたみたいですね。
備えようがありませんが覚悟をしておけばなんくるないさ~
田舎に籠っていても 陶芸を通して世情が透けて見えるというお話でした。
じゃんじゃん。