この宮殿のことはNHKの名曲アルバムのような画でずっと夢をみていて
はるばる東の彼方よりヨレヨレとたどり着いて・・・・。
でも今振り返ると 宮殿の思い出のえずらは
スリ一団の顔と小太りおじさんのまぬけな笑顔だけが
鮮明に浮かぶという悲劇に終わったのでした。
黄金の噴水!本物の金箔! でも正直、ロシアはどこもかしこも 金や宝石でピカピカまみれなので 日本の侘びて寂びてるものが 恋しくなったというのが本音かな? |
宮殿の辻つじに貼られた スリに気をつけての看板・・。 おまわりさんの姿はなく 自己責任という感じかな? |
夏の宮殿は世界中からの観光客で溢れていました。 イタリア人が多いのは イタリアの建物の原型がロシアにあるので それを目当てに来るとのこと。 |
憧れの宮殿の噴水庭は
まったく息をのむ美しさで ロシアの短い夏と黄金の噴水のコントラストに
しばしうっとりして至福の時をすごしたのだけど・・
ふとはずれの噴水に目をやり
豪華なレフカメラを三脚に組み立てて撮影に一生懸命な日本人おじさんを
「平和でいいなあ・・」と思って眺めていたら
ジプシー風のおばあさん・中年の女・若い女・足もとに子供
が日本のおじさんの廻りを取り囲みはじめた。
「スリ・・?」としばらく眺めていたが
ちょっと背伸びして確認すると
おじさんのたすき掛けになったバッグの中に女の手が入っていた。
おじさんは撮影に一生懸命で気がついていない。
次の瞬間、気がつくと私はその一団を
ビリヤードの玉のように体当たりの一撃で散らし
バッグに入っていた女の手首をひねりあげて
「スリ!」ってワイルドにやってやったぜ。
そのチャルメラ風おじさんは 何が起きたか全くわかっておらず
大切なカメラを抱えてきょとんとしている。
説明してやっとカバンのチャックがあいていたので
ようやく理解したのちに驚いて感謝されたのだが・・。
その後 私はスリの歯の無いおばあさんと
若い女と子供達に囲まれてすごい剣幕で口撃され
なぜかスマホで撮影されたが
「policeよぶわよ」と言うと散っていった。
おじさんいわく
「今日は俺、やけにモテるな・・。」と思いながら撮影していたそう(笑)
やれやれである。
その昔、アテネに住んでいたときに
アクロポリスで出会う日本人団体旅行の客が
子供心に恥ずかしくてはずかしくて大嫌いだったけれど
今は違って見える。
日本人は平和ボケしていると言われるが
性善説の日本人の佇まいは外国では際立って見えるから
なんだかちょっと誇らしく?ほっとするのだ。
猜疑心の強い眼をした大人より
善男善女の佇まいのほうが結構なのでそれが嬉しいのだ。
日本の善良なおじさんを守ったその翌日に
日本の善良なおばあさんを救ったお話はまた明日
日本の善良なおじさん&おばあさん!
私がそばにいたらいつでも助けてあげるからね。
ボンボヤージュなのである。
帰国後の窯出しの作品紹介
coco girls 2012